センター返しがバッティングの基本である3つの理由【打ち方のコツも】

野球をやっていると、「バッティングの基本はセンター返し」という言葉を聞いたことがあると思います。

でも、実際にバッティングをしたときの感覚では、思いっきり引っ張った打球の方が気持ち良いし良く飛ぶような気がしませんか?

でも、多くの野球の指導現場では「バッティングの基本はセンター返し」だと言われているのが事実です。

一体なぜ、野球のバッティングの基本はセンター返しなのでしょうか?

その理屈を詳しくご紹介していきましょう。

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センター返しが基本と言われる理由

バッティングにおいてセンター返しが基本だと言われる理由としては、大きく分けて三つあります。

  • 打球速度が最も速くなるから
  • 打球の伸びが良いから
  • 身体の開きが抑えられるから

それぞれ詳しく解説していきます。

打球速度が速くなる

センター返しができると、打球速度が最も速くなります。

バットとボールが当たる物理的なことを考えると、この理屈はわかりやすいです。

打球速度を速くするためには、バットスイングのパワーをロスなくボールに伝えることが重要になります。

バットとボールの反発力が強ければ強いほど、打球速度が速くなるわけですね。

引っ張りうちをしようが、流し打ちをしようが、センター返しをしようが、スイングスピードとピッチャーが投げるボールのスピードは変わりません。

そこでこの3種類の打ち方で差が出てくるのが、「ピッチャーが投げたボールと打球方向の角度」です。

このように、センター返しをした場合は、ピッチャーが投げるボールの軌道をそのまま打ち返すことになります。

そのため、ボールとバットの反発力を余すところなく活用できるわけです。

スイングスピードを、そのままボールに伝えて運ぶことができるということですね。

一方で流し打ちや引っ張りうちの場合

このように、ピッチャーが投げてくるボールに対して角度がつきます。

横に角度がついてしまう分だけ、ピッチャーが投げたボールの反発力を若干だけ弱めてしまうのです。

目に見えて明らかに打球速度が落ちるわけではありませんが、この少しの差がヒットなのかファインプレーで阻まれるのかを左右します。

要は、向かってきたボールをそのまま来た方向に打ち返すのが、最も反発力が高いということです。

そのため、ピッチャー方向であるセンター返しが最も打球速度が速くなるということですね。

打球の伸び

センター返しは、打球が最も伸びると言われています。

飛距離が出た方が、ヒットや長打になる確率は高いですからね。

これはセンター返しの打球速度が最も速くなるということも関係しています。

それだけでなく、打球に加わる回転にも理由があります。

引っ張る打球や流し打ちの打球の場合、打球に若干の横回転が加わることになります。

そのため、特に流し打ちの場合は打球がファールゾーンの方向に切れながら飛ぶことが多いのです。

しかしセンター返しの場合は、打球がどちらかの方向に曲がってしまうということはほとんどありません。

綺麗なバックスピンでセンター返しをすることができるので、打球の伸びが良いのです。

その証拠に、野球場というのはほとんどがセンター方向が広い作りになっています。

例えば両翼が100メートルの球場なら、センター方向は120メートルあるといった具合です。

これは、センター返しの打球が最も伸びて飛距離が出るから、このような野球場の形状になったわけですね。

身体の開きが抑えられる

センター返しが基本だと言われるのには、悪い癖がつきにくいからという理由もあります。

バッティングにおいて最も悪い癖の一つが、「肩の開きが早い」ということです。

ここでいう肩とは、バッターボックスに立ったときのピッチャー側に来る肩を言います。

右バッターなら左肩、左バッターなら右肩です。

スイングは身体の回転動作なので、強い打球を打とうとか鋭いスイングをしようと思うと、上半身で無理やり体を捻ろうとします。

そのときに、肩が早く開きすぎてしまうと、バットが後方に置いていかれて出てきません。

スイングスピードも上がりませんし、バットにパワーが伝わらなくなります。

バットのヘッドが走らないので、ピッチャーの球威に押されて詰まった打球が多くなるでしょう。

しかも、上半身だけ早く回転しているので、顔が残せずミートの瞬間にボールをしっかり見ることも出来なくなります。

肩の開きが早くなるというのは、バッターがスランプに陥る一つの原因でもあるのです。

そんな悪い癖を、センター返しを心がけることで矯正することも出来ます。

打球をセンターに打とうと思ったら、強引に身体を回転させていては打てません。

センター返しは真正面に打つわけですから、自然と肩の開きが抑えられたスイングが出来るようになるのです。

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センター返しのコツ

センター返しが野球のバッティングの基本であることはご紹介してきましたが、実際に打つにはどんなポイントを押さえればいいのでしょうか?

センター返しが上手くなるコツをご紹介していきます。

  • バットを前に投げ出すようにスイング
  • 手首を無理に返さない
  • 下半身と腰の回転を意識する

スイング軌道

センター返しをするには、バットをピッチャー方向に投げ出すようなイメージでスイングをすると良いです。

もう少し感覚に迫った表現をすると、キャッチャー側の手(右打者なら右手、左打者なら左手)を投手の方向に押し出すような感覚になります。

そして打球がセンター方向に飛んだ後も、グリップで打球を追うようなイメージでフォロースルーをすると上手くいくでしょう。

これを意識すると、自然と肩の開きが予防されます。

また、ピッチャーの投球に対して水平にスイング(レベルスイング)が出来るようになるので、空振りをする回数も減るかもしれません。

 

手首の使い方

センター返しでもう一つ重要なのが、手首の使い方です。

手首を無理に返してしまうと、引っ張り方向に打球が飛んだり、バットの先っぽに当たって詰まった流し打ちになってしまいます。

インパクトの瞬間まで手首を返さないイメージで、グリップをピッチャーに向かわせるようにそのまま振りぬきましょう。

下半身で打つ

特に軸足と腰の回転で、それにつられて上半身が回るイメージでスイングするとセンター返しが自然に出来ます。

腕力で強引に打ちに行こうとすると、肩の開きが早くなってセンター返しとは程遠いバッティングフォームになってしまうのです。

軸足で地面に穴をあけるつもりで、下半身と腰の回転でスイングするような気持ちで打ちましょう。

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まとめ:センター返しにはバッティングの基本

センター返しがバッティングの基本であることには間違いありません。

ただそれをもう少し掘り下げてみてみると、センター返しのスイングを心がけることに意味があるわけです。

基本に忠実なバッティングフォームを自然と身に着けるために必要な、様々な要素がセンター返しに詰まっているというわけですね。

まずはセンター方向に打つことを意識し、野球の理にかなった身体の使い方を染み込ませていきましょう。




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