野球のフレーミングとは【キャッチャーに求められるコツとその効果】

野球の中でも最近になって注目され始めた「フレーミング」という言葉。

フレーミングはキャッチャーのキャッチング技術の一つで、近年になってその上手さが数値化されて表されるようにもなりました。

メジャーリーグでも大活躍しているダルビッシュ有投手は、日本ハム時代に鶴岡選手とバッテリーを組むことが多かったことをご存じですか?

そんな彼がキャッチャーに求める条件として、フレーミングの上手さを挙げています。

フレーミングとは、ピッチャーにとっても非常に重要な技術だということですね。

そこで今回は、フレーミングの意味やコツについてご紹介していきます。

フレーミングとは

野球におけるフレーミングとは、ストライクかボールかきわどいギリギリのコースに投球されたときに発揮されるスキルです。

要は、審判にボールと判定されてしまいそうなコースを、捕手のキャッチング技術によってストライクに見せるということですね。

野球のレベルが上がるにつれて審判のレベルも上がりますから、あからさまなフレーミングは通用しません。

完全なボール球を、大幅にミットを動かして無理やりストライクゾーンに持ってくるような行為は、逆に審判への侮辱と取られることもあります。

審判を騙すというよりも、ピッチャーを助けるという気持ちで行うことが大切です。

ただ、審判によってストライクゾーンの捉え方は微妙に違いますし、同じ人でもその日の環境によってストライクゾーンの見え方が変わります。

まずはアンパイアの癖や特徴を見極め、今日のストライクゾーンを把握することも重要ですね。

フレーミングは評価しにくい

プロ野球やメジャーリーグでは、随分とデータ解析が深くできるようになり、フレーミングについても数値的な評価が出せるようになりました。

本来ならボールと判定されるような投球を、どのくらいストライクに出来たのか?

または、ストライクとコールされるべきボールを、何%ボール球にしてしまったのか?

そういった細かな事象を、全球に渡って数値化することが可能になっているのです。

しかし、アマチュア野球や草野球の世界では、そこまで正確な評価は出来ません。

そもそもキャッチャーの守備について指導できる人材が少ない上に、フレーミングを教えるというのは難しいことです。

ですから、フレーミングを上達させたい場合は、上手いキャッチャーを真似たり自分で情報を取りに行く姿勢が大切ですね。

フレーミングの効果

フレーミングをキャッチャーが覚えるべき理由としては、大きな効果が少なくとも2つあるからです。

  • ピッチャーに安心感を与えられる
  • きわどいボールをストライクにできる

まず大きいのが、カウントに関係なくピッチャーに安心感を与えられるということです。

フレーミングが上手いということは、キャッチングが上手いということでもあります。

キャッチングが上手い捕手の方が、ピッチャーも心理的に楽に投げられるわけです。

逆にフレーミングやキャッチングが下手な捕手というのは、ボールの勢いにミットが負けて後ろに流されるような捕り方をします。

この捕球ばかりされていると、「いつか後ろに反らすんじゃないか」とか「今日はあまりボールが走っていないのかな」と錯覚してしまうでしょう。

投手にとってメンタル面は非常に大切で、思い切って腕を振れるかどうかにかかわってきます。

ピッチャーの信頼を勝ち取って質の良いボールを投げてもらうためにも、フレーミング技術は重要なのです。

また、際どいボール球をストライクと判定してもらえることもあります。

明らかなボール球をフレーミングによってストライクに見せることは無理ですし、審判の心象を悪くしてその後の戦い方に不利を被ってしまうかもしれません。

ただ、人によってはボールともストライクとも見えるというギリギリのコースの場合、フレーミング技術が判定を左右します。

それが試合の中で1球や2球という頻度だったとしても、ノーアウト満塁の大ピンチで「1ボール2ストライク」になるのと、「2ボール1ストライク」になるのでは大違いなのです。

そう考えると、フレーミングが上手いことによるたった一球の差で、試合展開が全く変わってしまうこともあるわけですね。

フレーミングのコツ

フレーミングを習得するには、どのような意識が必要なのでしょうか?

フレーミングのコツについて整理していきましょう。

  • 捕る前にリラックスする
  • 体を動かして捕る
  • 肘を下げない
  • ストライクゾーンを把握する

一つずつ解説していきます。

捕球直前のリラックス

フレーミングを上手く行うためには、捕球の瞬間にピッチャーが投げるボールの球威に負けないような力を出せることが重要です。

速いストレートに対してミットが押し込まれて腕が流れてしまうようでは、際どいストライクがボールと判定されてしまいます。

これを防ぐためには、捕球の直前まで腕をリラックスさせておくことです。

投手がリリースする直前に一度ミットを下げて、腕の力を少し抜くことでその直後に筋力発揮しやすくなります。

ずっとミットを一定に保ったまま緊張させていると、かえって筋力が発揮できずに流されてしまうこともあるのです。

体を動かして捕る

フレーミングでもう一つ大切なのが、腕だけでなく体を動かして捕球するということです。

例えば右バッターのアウトコースに配球する場合、キャッチャー自身が少し外側に体を寄せて構えます。

その方が、ミットの位置的にストライクゾーンに近く見えるのです。

これが腕だけでアウトコースのボールを追いかけていると、身体からミットが離れて見えるので、審判からはボール球に見えるというわけですね。

錯視というほどではありませんが、パスボールを防ぐためにもこれは重要です。

肘を下げない

特に低めのボールをキャッチするときに、ボールを捕りに行くと同時に肘が下がってしまうとミットが流れます。

ピッチャーマウンドは高くなっていますし、そこから重力もあって基本的にはボールは下方向に向かってくるわけです。

そこに対してミットを覆いかぶせるようにキャッチしにいくと、球威に押されてミットが下に流されてしまいます。

そうではなく、低めのときこそ肘を外側に張るように上げておき、ミットの中の親指を上げるイメージで捕ると上手いフレーミングが出来るでしょう。

ストライクゾーンの把握

フレーミングが効果を発揮するのは、ボール球かストライクか判断に迷うようなコースに来た時です。

レベルの高いフレーミングを行うには、その日のストライクゾーンを把握しておかなければなりません。

ストライクゾーンの明確な定義としては

  • 肩の上部とズボンの上部の中間点
  • 膝頭の下部のライン
  • ホームベース

ここに当てはまる空間がストライクになります。

高めの上限は脇の下あたりで、低めの下限は膝のお皿まで。

そしてインコースやアウトコースは、本塁の幅というエリアです。

ただ実際には、バッターが自然体で打球を捉えられるエリアをストライクと判断するため、審判の傾向によっては多少バラつきがあります。

同じ審判でも、球場や天気などそのときの視界によってはアウトコースが広くなったり、低めに厳しくなったりするものです。

キャッチャーがフレーミングを行うには、試合の中でその日のストライクゾーンの傾向を探っていかなければなりません。

甘くストライクを取ってくれるゾーンなら、無理にフレーミングを行う必要もないのです。

過度にフレーミングを行うと、逆に審判に警戒されてボールとジャッジされてしまうこともありますからね。

フレーミングの上手いキャッチャー

フレーミングの技術的指導を的確にできる指導者は少ないと言えます。

そこで、プロ野球やメジャーリーグでも指折りのフレーミングの達人から学びましょう。

ここでは、4人のキャッチャーをご紹介していきます。

古田敦也

古田敦也さんは、プロ野球史上最高のキャッチャーとの呼び声も高い選手です。

名球会入りした打撃技術はもちろん、キャッチャーとしての守備能力が一級品であります。

捕球の直前に腕をリラックスさせて、ボールの軌道を先読みしてからストライクゾーンにグッと戻すような捕り方をしていますね。

坂本誠志郎

坂本選手は、阪神タイガースの捕手です。

確固たるレギュラーを獲得しているわけではありませんが、そのキャッチング技術は現役ナンバーワンなのでは!?という声もあります。

特徴としては、外寄りのコースでも身体を寄せてしっかり内側に見せるキャッチングをしているので、捕球位置が遠く見えないところです。

また、球威に負けずにグッとこらえるようなミットの動かし方をしているので、特にサイドのコースでベース上を通過しているように見えます。

フラワーズ

タイラーフラワーズ選手は、メジャーリーグのアトランタブレーブスに所属しているキャッチャーです。

その抜群のフレーミング技術は、世界中の野球ファンが賞賛しています。

特に低めのボールに対するフレーミング技術が秀逸で、落ちてくるボールに対して引き上げるようなキャッチングをしています。

来たボールが要求したコースと逆球になっていても、腕だけで反応してきっちり中に戻すようなフレーミングをするので、おそらくストライクを何球も稼いでいるでしょう。

バーンズ

オースティンバーンズ選手は、メジャーリーグのロサンゼルスドジャースに所属しているキャッチャーです。

前述のフラワーズ選手と並んで、世界でもナンバー1を争うほどのフレーミング技術と言われています。

アウトコースやインコースを、捕球の過程でサッと中に入れ込むフレーミングが素晴らしいです。

ドジャースにも160㎞近い剛球を投げる投手が多いので、そのスピードの中で球威に負けないような捕球ができるのも賞賛の理由ですね。

それぞれの選手が個性的なフレーミング技術を持っているので、練習する際はぜひ参考にしてみてください。

まとめ:フレーミングの意味を理解しておこう

フレーミングは、その技術によって際どいボールをストライクと判定してもらいやすくするということです。

ただ、審判を欺こうとする気持ちが強すぎると、嫌みなミットの動かし方になってしまいます。

審判も人間ですから、敵にしてしまうと試合が一気に不利になるでしょう。

フレーミングで最も大切なことは、ストライクのボールをしっかりとストライクと判定してもらえるようにすることが大前提です。

まずは球威に負けないようなキャッチングスキルを身に着けて、一流のキャッチャーをマネしながら覚えていきましょう。