【野球で投手にセーブがつく条件とは?】ホールドとの違いやルールを解説

セーブ機会で出番が回ってくる投手

野球で投手成績としてわかりやすいのが、先発投手につく「勝利投手」ですよね。

そして、リリーフピッチャーの功績としてわかりやすいのが「セーブ」という数値です。

他にも中継ぎ投手につく「ホールド」という指標もあります。

プロ野球では特に、試合の最後を勝った状態で締めくくるリリーフピッチャーの重要性や存在価値が高まるようになりました。

そこで今回は、投手にセーブがつく条件や、ホールドとの違いについて解説していきます。

野球のセーブとは

セットポジションから投げるリリーフエース

野球における「セーブ」という記録は、試合の最後を勝った状態で終えたピッチャーに付与される成績のことです。

投手にセーブがつくのにはいくつか条件があり、それを満たしていないとセーブにはなりません。

点差や投げたイニング、登板時のランナーの状況によって、セーブがつく条件は変わってきます。

先発投手が完投した場合はセーブがつかないので、2番手以降に登板したピッチャーであることが必須の条件です。

プロ野球界でも、セーブ数が多い投手は「守護神」と呼ばれ、チームが勝っていてセーブがつく条件が揃っているときには高確率で登場します。

セーブの他に、「勝利投手」や「ホールド」といった投手成績に残る記録もありますが、1試合の中でセーブがつく投手は両チーム合わせて必ず1人です。

2004年まで、「セーブポイント」という指標も「セーブ」とは別に存在していました。

これは、「救援勝利」(先発ではなく2番手以降の救援投手として登板して勝利投手になった回数)と「セーブ」の数を合計した値です。

しかし、現在ではセーブポイントという公式記録は廃止され、セーブ数だけが公式記録として残るようになりました。

セーブの条件

牽制の上手いサウスポー

投手にセーブがつくには、まず4つの必須条件を満たさなければなりません。

その上で、シチュエーションに応じた条件を1つ満たす必要があり、必ずしも9回の1イニングだけの登板とは限らないのです。

セーブの必須条件

  • 先発投手ではない(勝利投手の権利が無い)
  • 勝利チームの最後の投手である
  • 1/3イニング以上の投球回
  • 同点・逆転を一度も許していない

まずはこれら4つの条件をすべてクリアしている必要があります。

まず、先発投手にセーブがつくことはありません。

必ず、その試合で2番手以降で救援登板したピッチャーに限られます。

そしてその投手が、勝った状態で最後のアウトを取得していることも条件です。

さらに、3分の1イニング、すなわちアウトを一つ以上取っていなければなりません。

また、登板してから一度でも同点または逆転されてしまった場合、その時点でセーブの権利を消失します。

例えば9回表1点リードの場面で登板して、ソロホームランを打たれて同点にしてしまった場合をイメージしてください。

その裏の攻撃で、味方チームがサヨナラ勝ちを収めたとしても、その投手にセーブはつかず、「勝利投手」として記録されるのです。

あくまでも、「セーブ」よりも「勝利投手」が優先されるということですね。

1つ以上満たす条件

上記4つの条件をすべて整えた状態で、さらに次の内1つ以上の条件を満たしていなければセーブにはなりません。

  • 登板時、リードが3点以内の状態で1イニング以上投げる
  • 点差に関わらず、3イニング以上投げる
  • 登板時に、打者2人に本塁打を打たれたら同点または逆転される状況である

まずセーブの条件として最も簡単なのが、3点差以内のリードで1イニング以上投げることです。

プロ野球でも、多くのセーブはこの条件をもって記録されています。

9回の最終イニングを迎えた段階で、1点から3点のリードがある場合に、そのチームの「守護神」と位置付けられるピッチャーを投入するのです。

また、点差やイニングに関係なく、3イニング以上投げてリードを保ったまま試合を終えることが出来ればセーブが付きます。

延長戦でないとすれば、7回の無死状態から登板して、最後まで投げ切ればいいのです。

リリーフピッチャーが3イニング投げるというのは稀ですが、ロングリリーフで最後を締めるということも無い話ではありません。

理論上は、10点以上差がついていても、一度も同点や逆転にされなければセーブはつくということですね。

そしてすこし厄介な条件なのが、「迎える打者2人本塁打を打たれたら同点または逆転される状況」というセーブ条件です。

要はその投手が登板してから、2者連続ホームランを打たれたと仮定した場合、それで同点や逆転になるならセーブ機会として成り立っています。

この場合、イニング数は関係ありません。

すなわち

  • 登板時に無走者なら2点以内
  • 登板時にランナーが1人なら3点以内
  • 登板時にランナーが2人なら4点以内
  • 登板時に満塁なら5点以内

ランナーの状況によって、セーブがつく点差が変わるわけです。

例えば9回裏ツーアウト満塁で登板したとして、もしその時に5点リードの状況であれば、たった一球でアウトを取ったとしてもセーブになります。

また、試合を締めくくりさえすればいいので、牽制でアウトを取ったとしてもセーブは成功です。

この場合、記録上は「0球でのセーブ」が成立することになります。

セーブとホールドの違い

ダイナミックな投球フォーム

セーブはその試合の最後のアウトを取得した投手に限られますが、他に中継ぎ投手に与えられる価値ある指標として「ホールド」も存在しています。

セーブ」も「ホールド」もどちらも先発投手以外の投手に与えられる勲章ですが、条件に微妙な違いがあります。

ホールドの条件

  • 先発投手、勝利投手、敗戦投手のいずれにも該当しない
  • セーブが記録されていない
  • 自チーム最終守備イニングの3アウト目を取っていない
  • アウトを1個以上取っている
  • 自身が降板した後に、自分に記録された失点で同点や逆転になっていない

ホールドがつけられるにはこれらの全ての条件を最低限満たす必要があります。

このホールドの必須条件だけで、すでにセーブとは異なる記録であることが明白です。

その上で、セーブがつく条件で解説した「一つ以上満たす条件」と同じ要件を満たしているか、同点で登板して勝ち越しを許さずに降板した際にホールドが付きます。

試合の最後を締める投手には、ホールドがつかないようになっているのです。

また、セーブとの決定的な違いとして

1試合に何人もホールドを達成する投手が出る可能性がある」

ことも大きな相違点として挙げられます。

ホールドの必須条件を満たしていれば、例えば1点差の状況で8回を迎えたとしましょう。

8回の先頭バッターを投手Aが抑えて降板、2人目のバッターを投手Bが抑えて降板、3人目のバッターを投手Cが抑えて降板というケースがあるかもしれません。

この場合、A,B,C全ての投手にホールド」が記録されます。

また、同点の状況で登板してもホールドが記録されるため、最終的に敗戦となったチームの投手にもホールドがつく可能性があるわけです。

例えば同点の7回に登板して1イニングを抑えて降板したとします。

最終的に9回に逆転されてチームが負けたとしても、7回の1イニングを抑えた投手にはホールドが付くわけです。

まとめると

  • セーブはその試合に一人
  • ホールドは1試合に何人でも付く
  • セーブは勝ち試合限定
  • ホールドはチームの最終的な勝敗は関係ない

これらの違いがあります。

セーブポイントとは

三塁手が構えるところ

単純なセーブ数だけでなく、「セーブポイント」という成績もありました。

これは、先発以外で登板した投手に勝利がついた「救援勝利」と「セーブ」を合計した値です。

2004年までは公式記録でしたが、時代の変遷とともにセーブ機会に投げるピッチャーの役割が変わり、廃止されました。

また、勝ち試合の最終イニングを任せられるいわゆる「守護神」的なポジションの投手が、救援に失敗した際に「勝利投手」になるケースがあります。

例えば9回表、1点リードの場面で救援投手が登板し、1点を取られて9回を終えたとしましょう。

その裏、チームが1点を取り返してサヨナラ勝ちを収めた場合、救援投手には「勝利投手」として記録が付与されることになります。

事情としては「救援失敗」をしているにも関わらず「救援勝利」として記録が残るため、セーブポイントの価値や評価そのものを見直そうとする動きが働いたことも背景にあるのです。

現代では、試合の最後を締めるリリーフピッチャーには「最多セーブ投手」、中継ぎとしてチームに貢献するピッチャーには「ホールドポイント」(ホールド数と救援勝利の合計)を使った「最優秀中継ぎ投手」という表彰があります。

セーブ成功率も大切

センター目線でのバッテリー

投手のセーブに関しては、前提として味方チームが強くないと記録できないスタッツとなります。

セーブがつく条件としては必ず勝ち試合になるので、自チームの打者成績が悪かったり、先発投手の調子が悪かったりするとセーブ機会がそもそもありません。

それでいて、セーブを目的として登板する投手は「失点が許されない空気感」の中で投げなければなりません。

例え1点差で迎えた9回であっても、先発投手なら許される1点の失点が、救援投手では重くのしかかることになるのです。

たった1点の失点が「救援失敗」として印象付けられてしまい、守護神としての信頼が揺らいでしまいます。

そこで、クローザーと呼ばれる、試合の最後を締める役割を担う投手の真の実力を評価するには、「セーブ成功率」を見るべきです。

メジャーリーグでは「ブロウンセーブ」という記録があり、「セーブ機会に登板して同点または逆転を許してしまった数」が公式に残ることになっています。

実際のセーブ数をブロウンセーブ数で割ることにより、セーブ成功率が導きだされる計算方式です。

その当時、そのクローザーが全盛期だった時代には、セーブ成功率が97%以上を弾きだしていることが多いですが、中にはセーブ数のわりにセーブ成功率が低い投手も浮かび上がってきます。

例えば2003年に最優秀救援投手のタイトルを獲得した、当時ヤクルトスワローズの高津臣吾投手は、セーブ成功率87.2%という数値でした。

2007年の当時ジャイアンツだった上原浩治投手が32セーブを挙げ、セーブ成功率100%だったことと比較すると、少し寂しい数字かもしれません。

1998年には、45セーブを挙げてタイトルを獲得した大魔神こと佐々木主浩投手がセーブ成功率95.7%と高い数値を誇りました。

こうしてみると、やはりクローザー個人の技量だけではなく、チーム全体としての強さがセーブ数に反映されるということがわかりますね。

まとめ:セーブの条件は意外と複雑

セーブの条件を詳しく見ていくと、意外と複雑なルールがあることもわかりました。

投手の分業制が明確になった昨今、勝ち試合の最終イニングを締める絶対的な投手の存在は欠かせなくなっています。

強いチームには必ず優秀なクローザーがいるので、先発完投型の投手だけでなく、シーズンを通してフル回転する救援陣にも目を向けてみてくださいね。