ノックを受ける野球選手

野球を始めたころや、強豪チームの選手を評価するときによく用いられる「野球センス」という言葉。

そもそも野球センスとは、どういった能力のことを指すのでしょうか?

もちろんセンスを数値化することは出来ませんし、見た人の主観になるのでしょう。

しかし、明らかに誰から見ても「あいつは野球センスがある」というプレーヤーが存在しているのも事実です。

また、生まれつき持った才能だけではなく、後から野球センスを磨くこともできるのではないでしょうか。

そこで今回は、野球センスとは何なのか?どうすればセンスを向上させることができるのか深掘りしていきます。

野球センスとは何?

野球センス」とは非常に抽象的な表現ですよね。

野球センスがあるとはどのようなプレーをする人なのかというと、「無意識に最適なプレーが選べる人」とも言えます。

ランナーの状況やアウトカウントによって、どこを狙って打つのが一番得点チャンスが広がるのか?

守備側であれば相手ランナーの足の速さを頭に入れて、打球が飛んできたときにどこに投げれば最も得点を抑止できるのか?

様々な選択肢がある中から、最も最適なプレーを判断できる、そしてそれをちゃんと再現できるという選手が高い野球センスの持ち主なのではないでしょうか。

もちろん、足が速いとかパワーがあるとか、身長が高いとか、そういった肉体的に優れた人が活躍しやすいのは間違いないです。

しかしそれは運動全般で見たときのセンスの話で、野球そのもののセンスとなるとまた話は別な気がします。

それは、野球が全ての場面でホームランを狙うことが正解では無いですし、150キロのボールを投げれば勝てるという単純なスポーツではないからです。

野球センスがある人の特徴

野球センスがある人は、どのような特徴を持ったプレーヤーなのでしょうか?

やはり打ち方やボールの捕り方がキレイだったり、走り方が格好いい選手のことを指すはずです。

野球が上手く、能力が高い選手は野球センスがあるのは間違いありませんが、具体的にどのような人を指すのかまとめていきましょう。

  • 状況判断能力が高い選手
  • 頭の中のイメージを身体で再現するのが上手い人
  • 自分に自信を持ってプレーしている人
  • 動きに緩急がある人

状況判断に優れている

野球は、1球ごとに求められる役割が変わってくるスポーツです。

例えば自分がバッターで、ノーストライクのときなら自由にスイングをして、その間にランナーが盗塁をしたら右方向へのバッティングが求められることがあります。

そして、ツーストライク後にはとにかくバットに当ててゴロを打つ、という具合です。

これは監督やコーチの指示によって覚えていくこともありますが、野球センスがある人は、自分で状況判断して最適なプレーをします。

守備においても、強烈なゴロが飛んできてファンブルしてしまったときに、焦ってそのまま1塁に投げるのか、それとも飛び出しているランナーを刺しに行くのかでプレーが変わってきますよね。

ゴロを取り損ねて身体の前で落とすという状況で、アウトにしやすいランナーが変わるわけです。

こういった突然発生する状況で、正確に最適な判断ができる選手はやはり野球センスがあると言えますね。

再現性が高い

頭の中でイメージしている動きを、そのままイメージ通りに再現できる能力がある人は野球センスがあります。

例えばバッティングであれば、本当はアウトコースのボールをキレイに流し打ちしたいと思っているとしましょう。

頭の中のイメージでは、外寄りのストレートを3塁手の頭の上めがけて弾き返す想像が出来ています。

しかし実際に体を動かしたときに、しっかりヘッドを遅らせてスイングをして、ボールの中心から少し下あたりをバットの芯でジャストミートできるとは限りません。

多くの選手は、イメージと実際の動きに若干のギャップがあるはずです。

しかし野球センスがある人というのは、イメージに限りなく近い形で体を動かせます。

そのイメージが正しければ、良い結果が出るということですね。

自信に満ち溢れている

野球はメンタル面の要素も大きく関係するスポーツです。

根拠がなくても自分に自信がある人というのは、思いっきり身体能力を発揮したプレーが出来ます。

これは一つの野球センスと言っても良いのではないでしょうか。

「絶対に三振したくない」

「できれば今はボールが飛んできてほしくない」

という後ろ向きな気持ちでプレーしていると、失敗を回避したいあまりに筋肉が硬直して、余計にぎこちない動作になってしまいます。

「絶対に自分が打って得点してやる」

「どんな打球でも飛びついてでも捕る」

という前向きな気持ちでプレー出来ていれば、モチベーションも高まって潜在能力が引き出された良いプレーができるものです。

野球センスがある人というのは、どこか堂々としていますよね。

動きに緩急がある

野球センスで最も重要なのが、動きの緩急かもしれません。

特に守備の面でこれは顕著に表れます。

自分が内野手で、ゴロが飛んできたときのことを想像してください。

そのまま全力で走ってボールに突っ込んで捕りに行くのか、バウンドに合わせて捕りやすい上に投げやすい位置で捕球しにいくのか、この違いでエラーの確率が大きく変わります。

要は、常に全力で動き回っているだけではダメなのが野球です。

打球の勢いやバウンドの高さに合わせて捕球姿勢を取り、取れるアウトを確実に取れる選手が野球センスがある人ということですね。

速い打球に対して全力で突っ込んでいけば、グローブで弾いてエラーになる確率も高くなってしまいますから。

少年野球で素質のある子は生まれつき?

子供が少年野球チームに入団した親御さんや、なかなかレギュラーになれないプレーヤーが一度は考える「野球センスは結局生まれ持った才能なのではないか?」という葛藤。

確かに、人間は生まれながらに速筋遅筋と言って、瞬発的な筋肉と持久的な筋肉の割合が人それぞれ決まっています。

ですから、分かりやすいところでいえば、短距離走に向いている人とマラソンなどの長距離走に向いている人というのはある程度生まれ持ったボディバランスで決まっているわけです。

しかし、前の章でご紹介した野球センスがある人の特徴で整理したように、野球という競技全体でいえばセンスは後からでも十分磨けるものであると言えます。

身体的な特徴で、ホームランを狙うべき選手や、セーフティバントなど足を活かした攻撃をすべき選手、野手よりも投手をやった方が良い選手などは当然分かれるものです。

でも野球は偏った特徴の選手だけ集めても勝てません。

状況判断や自分への内面的な自信など、練習や試合経験を重ねることで上達する項目はいくつもあります。

何本もホームランを打って、剛速球を投げるだけが野球センスではありませんからね。

全ての選手に、必ず最適な役割があるのが野球です。

野球センスは生まれ持ったものだけでは決まらないので、ぜひセンスを磨く努力をしていきましょう。

次の章では、そんな野球センスを磨く方法についてご紹介していきます。

野球センスや才能を高める方法

野球センスは生まれ持った才能だけで決まるものではなく、後天的な努力で高めていくことが可能です。

では、具体的に野球センスを向上させるための方法を4つご紹介していきましょう。

  • 野球センスがある人の真似をする
  • 上手い人と練習する
  • 様々なスポーツを行う
  • 練習量を増やす

野球センスがある人の真似

野球センスがある人と言えば、やはりプロ野球選手です。

プロ野球選手の打ち方や投げ方などを真似して、自分の動きに取り入れることは有効な野球センス向上の手段と言えます。

やはり自分の頭だけであれこれ考えるよりは、すでにお手本となりうる人の真似をするのが手っ取り早いということですね。

野球センスがある人の動作を真似することで、自分にもしっくりくる動きが見つかるかもしれません。

しかもそれがプロ野球選手であれば、野球を上達するという観点で理にかなった動き方であることは間違いないですよね。

まずは遊び感覚で良いので、自分が好きなプロ野球選手を真似するということも取り入れてみてください。

上手い人と練習する

もっと身近なところで、チーム内で自分より野球が上手いと思える選手と一緒に練習することも有効です。

特に中学生高校生なら、長くレギュラーで試合に出続けている先輩とペアになって練習するのが良いでしょう。

少年野球なら、上級生や野球経験者のコーチと練習しても良いです。

自分よりも上手く、野球センスが高い人と練習することで、細かな動作まで気付ける点が出てきます。

野球の練習は、ペアになって行うメニューも多いです。

キャッチボールやトスバッティング、ティーバッティングなど、自分のチームの中心選手と練習すれば同じ練習時間でも中身の濃さが違ってきますからね。

様々なスポーツをする

少年野球ならなおさらですし、大人の草野球でも、他のスポーツを取り入れることは野球センスを磨くことにも役立ちます。

野球センスを決める要素の一つとして、頭でイメージする通りに体を動かすというスキルが必要です。

そこを磨くためには、野球だけにこだわって同じような身体の使い方だけを反復するよりも、様々なスポーツで異なった身体の使い方をした方が良いでしょう。

サッカーバドミントン水泳などもオススメです。

メジャーリーグの選手が、日本のプロ野球では考えられないようなプレースタイルで観客を魅了するのには、幼少期から様々なスポーツに触れることができる環境も影響していると言われています。

これまた遊び感覚でOKなので、トレーニングの一環として他のスポーツを行うのも検討してみてください。

練習量を増やす

自信を持って伸び伸びとプレーすれば、野球のセンスも高いものが発揮できます。

自信をつけるには、練習量も必要です。

「たくさん練習したんだから大丈夫」

という自信が、いざというときに自分の精神面を支えてくれることもあります。

日常生活や、学生であれば勉学に支障をきたすほど練習に時間を費やす必要はありませんが、今までよりもたくさんの数をこなすことは自信になるでしょう。

野球センスがなく下手な子はどうしたらいい?

そもそも運動が苦手だったり、ボールに対する反射神経が鈍いという方もいるはずです。

そんな方が「自分はセンスが無いんだ…」と諦める必要はありません。

それが小学生や中学生なら、年齢が上がるにつれてどこかで才能が爆発するケースはよくあります。

しかも、必ずしも速く走れなくても、速いボールや遠投が出来なくても、活躍する道があるのが野球というスポーツの面白いところです。

自分に野球センスが無いと感じる人は、

頭を使う

ということで活躍できます。

クリーンヒットが打てなくても、守備体型を見て野手が出てこない場所にバントをすれば足が遅くても内野安打が狙えるはずです。

ランナーが2塁にいるなら、確実にセカンドゴロやファーストゴロを打つ練習をすれば、進塁打が打てます。

 

進塁打が打てる選手がいれば、送りバントをしなくてもランナーを進めることが出来るのです。

野球は一流選手でも打率3割と言われる世界ですよね。

裏を返せば、7割は凡打になるわけです。

その7割の凡打をいかに内容のある凡打にするかが、得点力をアップするカギになります。

誰が見ても華麗で豪快な、いかにも「野球センスがあるヤツ」が魅力的なのは確かです。

しかし、本当に野球を知っている人からすれば、「野球IQ」が高い選手が真の野球センスの持ち主だと分かっています。

状況判断に優れ、チームとしていかにチャンスを拡大するかということを頭で考えながらプレーすれば、身体能力的な野球センスが無くても十分活躍できますからね。

プロ野球選手の身体能力

  • 大谷翔平
  • 坂本勇人
  • 松井秀喜
  • 清原和博

プロ野球選手は、少なくとも野球選手としてのセンスがあった人達です。

そんな選手たちの身体能力について特徴的な点をまとめてみました。

大谷翔平選手

大谷選手は、社会人野球の選手である父親と、バドミントンの国体選手である母親との間に生まれました。

小学生で120㎞を投げていたという話もあり、少年野球ですでに才能が開き始めていたと言えます。

幼少期には、水泳も習っていたそうです。

坂本勇人選手

坂本選手は右投げ右打ちの遊撃手ですが、そもそも左利きです。

今でも、お箸やペンなどは左手を使っています。

また、小学生時代は投手として田中将大選手とバッテリーを組んでいたのも有名な話です。

松井秀喜氏

中学入学時点ですでに170㎝95㎏という体格を誇っていたそうで、小学生時代は柔道でも国体強化選手に選ばれるほどの強さだったそうです。

星稜高校時代は、背筋力250㎏、バーベル150㎏と飛び抜けた筋力を備えていました。

やはり球史に残るスラッガーは、すでに幼少期から頭一つ抜けた存在だったようです。

清原和博氏

PL学園時代に夏の甲子園で2度の優勝を達成し、甲子園通算13本という飛び抜けた成績を残しています。

小学校3年生時点ですでに身長155㎝で、4年生のころには6年生のチームでレギュラーだったそうです。

プロ入団後もルーキーイヤーから31本塁打を放ち、新人のホームラン記録を今でも持っています。

まとめ:野球センスは後から磨ける

野球センスは身体能力とイコールで結びつけることは出来ません。

状況判断力や、自信など、目に見えない技術が野球センスに影響を及ぼすからです。

そしてそういった部分は後から経験や練習量によって補うことが出来るので、野球センスは生まれながらにして持った才能だけではないと断言できます。

「自分には野球センスが無い」

「うちの子には野球センスが無いかも」

と半ばあきらめるのではなく、野球センスを磨くために取り入れられることを行っていきましょう。

ここまでご紹介してきた

  • プロ野球選手を真似る
  • 上手い人と練習する
  • 他のスポーツも取り入れる

といった方法などもぜひ参考にしていただき、楽しく野球が上達できると良いですね!